中古車査定相場表

日本語、風雅。そして音楽用語のフーガから名前 を取ったフーガが、セドリックノグロリアの後継車 として世に送り出されたのは2004年のことであ る。狙いはユーザーの若返りだ。  同時にフーガは、北米やヨーロッパ、中国などで はインフィニティブランドの旗艦M35/M45として も販売されている。ドメスティックな存在に留まら ず世界に通用する高級車たることも、その目指すと ころなのである。  2009年に発売された現行フーガも、コンセプ トはほぼ踏襲されている。うねりを強調したボディ ラインが、なぜか和の匂いをさせているのは面 白いところ。確かにヨーロッパやアメリカのライバ ルには無い個性を感じさせる。  室内の意匠も同じような雰囲気だ。うねった線と 面が交錯する様は高級とは違う気もするが、クオリティは十分に高い。そう言えば内装では、匠と呼ば れる職人の手になる、本木目に銀粉を刷り込んだト リムパネルを選ぶことができる。この辺りも、まさ に和の要素。フーガの特徴と言えるだろう。  エンジンは2・5リットルと3・7リットルのふたつのV型6 気筒を用意する。組み合わされるのは新採用の7速 ATである。先代にあったV型8気筒は落とされた が、一方で新たに設定されたのがハイブリッドだ。  フーガのハイブリッドシステムは、トヨタ方式の 2基に対して1基のモーターを、エンジンと7速A Tの問に挟み込んでいる。発進時や巡航時にはエン ジンを停止し、更にクラッチを切ってモーターだけ で走行できるのが特徴。走行中でも、回転計の針が フッとOに落ち、エンジンが停止する機会が、実に 頻繁に訪れる。こうしてこまめに燃費を稼いでいる のだ。このクラッチの断続時にたまにショックが出 るのが惜しいが、不満と言えばそれぐらいである。  何しろフル加速時には、エンジンとモーターが協 調して、実にパワフルな加速を楽しませてくれる。エンジンの最高出力は306馬力でモーターは68馬力。 トルクで見ると相当量にも達する だけに、確かにもはやV型8気筒など必要は無いだ ろう。この動力性能にして、燃費は10・15モードで 19・0キロと、コンパクトカー顔負けの数値を実 現しているのだ。  フットワークにも進化が見られる。先代は特に19 インチタイヤを履いたモデルの乗り心地の悪さに辟易させられたものだが、現行モデルは20インチ仕様 でも何とか許容範囲。18インチなら、まずまず快適 と評せる。体躯に似合わぬ身のこなしの軽さも特徴 だが、4輪を操舵する4WASはやり過ぎだ。単に 切れば曲がるというだけでなく、その過程をじっく り楽しませてくれてこそ、このクラスのセダンに見 合ったスポーティさというものだろう。  ハイブリッドのみならず、他にもハイテクは満載 だ。アクセルの踏み過ぎをペダル反力の変化で伝え るECOペダル、衝突被害を軽減するインテリジェ ントブレーキアシスト、車線逸脱防止システムノ防止警報など、特に環境、安全に関わる領域には最新 の装備が用意されている。これも今の時代の高級車 らしいところである。  こんな意欲作のフーガなのだが、ディテールの入 念なつくり込みに溜息はついても、1台のクルマと してどうにも高級と感じられないのが気になる。な ぜか。おそらくは、すべてがどうにもクドくて、押 しつけがましさすら感じさせるからだ。  たとえばV型6気筒のエンジンはスロットル操作 に対する反応が時に過敏に思えるし、ECOペダル の不自然なまでの抵抗感も、無視して踏み込めばい いと解っていても、あまり気持ち良くは無い。特に 4WAS付きの場合は、コーナリングもシャープ過 ぎて落ち着きを欠くといった具合。これでもかと抑 揚をもたせた内外装も、ちょっと疲れてしまう。  その名に「風雅」の意味も込められているならば、 もう少しサラッと粋で雅な感じがあっていい。アメ リカばかり見るあまり、和の心を忘れてほしくない のである。
 

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